iPhoneのホームボタンは「ホーム画面に戻る」ための中心的な機能であり、Touch ID(指紋認証)の役割も果たしています。ところが押してもまったく反応しなくなるなど、押し込みができない状態になると、通常の操作ができず非常に不便です。
iPhone 7以降のモデルでは感圧式のホームボタンが採用されていますが、それでもソフトウェアやパーツの不具合で押せない事態が起こり得ます。
本記事では、iPhoneのホームボタンが押せない原因や、その対処法を詳しく解説します。
物理ボタンを搭載した旧機種だけでなく、感圧式の機種でも生じる可能性があるため、症状に応じた対策をチェックしてください。もし自力での対処が難しい場合は、後述する修理先の選択肢を参考に早めの解決を目指しましょう。
目次
iPhoneシリーズの中でも、近年のフルスクリーンデザインではホームボタンが廃止されています。
2020年に発売されたiPhoneSE(第2世代)と2022年に発売されたiPhoneSE(第3世代)は、いずれもTouch IDを搭載したホームボタンを備えています。
デザインはiPhone 8を踏襲しており、コンパクトなサイズ感と物理的に押し込み感のある感圧式(ハプティックフィードバック)ボタンが特徴です。最新のiPhoneラインアップでは、実質的にこのSEシリーズのみがホームボタンを継承しています。
iPhone 7/7 Plusから採用されたホームボタンは、従来のように物理的にカチッと押し込む構造ではなく、感圧式(タップティックエンジン)で押し込みを疑似体験させる仕組みになっています。
そのため、ボタンを強く押したときの感触は振動モーターによるものであり、本来の物理スイッチが採用されているわけではありません。 この感圧式ホームボタンは故障しにくいとも言われますが、実際には落下や水没などで内部パーツが損傷すれば押せない・反応しない不具合が発生するケースがあります。
iPhone 7/8やSE(第2世代、第3世代)は感圧式なので、旧来の物理ボタンに比べれば動く部品が少なく、壊れにくい傾向があります。しかしiPhone 6sやそれ以前のモデルではメカニカルなスイッチが搭載されており、経年劣化や落下衝撃などで押せなくなる故障が起こりやすいです。
iPhone 7以降でも、基板やタップティックエンジン自体に問題が起きると同様に反応しなくなることがあるため、決して無縁ではありません。
この問題を引き起こす原因は多岐にわたります。簡単なものなら設定変更やクリーニングで直せる一方で、本格的な故障だと修理が必要になるケースも。ここでは主な原因を列挙します。
まず最も分かりやすい理由が、ホームボタンそのもののハードウェア故障です。iPhone 6以前の物理ボタンであればスイッチが物理的に壊れているなど、iPhone 7以降の感圧式でも内部のセンサーやケーブルが断線している可能性があります。落下衝撃や水濡れ、長年の使用による摩耗が原因となることが多いです。
OSレベルのバグやシステム障害が起きていると、ホームボタンが押しても反応しなくなる場合があります。特にiOSアップデート直後や不完全なアップデート時に起こりがち。ソフトウェア不具合であれば再起動やアップデート、初期化によって解決することが多いです。
iPhone 7以降はホームボタンを押した際にバイブレーションでフィードバックを返す仕組みになっていますが、これがオフまたは故障すると「押している感触がない」状態になることがあります。
実際にはボタン機能自体は生きていても、振動が伝わらないため誤解されやすいです。 ただし振動がないだけで、ホームボタンとしての機能は作動する場合と、完全に故障している場合があるため注意が必要です。
感圧式ホームボタンの場合、指紋認証(Touch ID)機能との兼ね合いもあり、指先が極端に汚れているなど濡れていると反応しにくくなることがあります。油汚れや水滴が付いていると、ボタンの感圧センサーが誤動作を起こすことも考えられます。
ホームボタン表面にホコリや油分が付着すると、物理ボタンでも押し込みが浅くなるなど、感圧式なら指紋センサーの働きが低下する原因にもなります。軽度の汚れであれば綿棒や柔らかい布で掃除して改善するケースもあります。
ここまでの原因に当てはまらず、掃除やソフトウェア対策でも治らない場合、やはり機械的な故障が最終的な原因として残ります。特に落下ダメージでホームボタン周辺のケーブルや基板が断線していると、ボタンが全く反応しなくなる可能性が高いです。
対処法は原因によって異なりますが、以下の対策を一通り試すことで解決できるケースが多いです。
緊急時にはAssistive Touchを利用して代替操作を行い、必要に応じて修理を検討しましょう。
まずは物理的な汚れ除去から試すことをおすすめします。アルコールを染み込ませた綿棒や、メガネ拭きなどの布を使ってボタン表面の汚れを拭き取ると、動作が復活する場合があります。
但し、水分が内部に入らないように慎重に行いましょう。強い洗剤や水洗いなどは逆に故障を招くため注意が必要です。
ストレージがいっぱいでシステムが重くなっていると、タッチやボタン操作に遅延が起こることがあります。不要な写真やアプリ、キャッシュを削除して容量を確保すると、端末全体の反応が改善する可能性があるので試してみてください。
再起動すると、一時的なソフトウェアの不具合やメモリリークが解消され、ホームボタンの反応が戻るケースがあります。通常はサイドボタン(電源ボタン)を長押しして電源オフ→再起動。反応が全くない場合は強制再起動を試します。
感圧式ホームボタンやTouch IDを搭載している機種では、指先が汚れたり濡れていたりすると操作が効かないことがあります。手を洗ったりハンカチで水分を拭き取ったりしてから改めてボタンを押してみると、意外に改善される場合があります。
古いiOSバージョンではホームボタン関連のバグが放置されていることがあり、アップデートで修正されるケースも。設定→一般→ソフトウェアアップデートを確認し、新しいバージョンがあれば適用してみてください。念のためバックアップを取っておくと安心です。
iPhoneのホームボタンが物理的に機能しない間は、「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」をオンにして、画面上に仮想ホームボタンを表示する方法があります。
これによってホーム画面に戻る操作などを物理ボタンを使わずに行えます。 ただし、画面上に常時ボタンが表示されるため操作感がやや悪くなることも。あくまで応急処置として考え、本格的に修理を検討する方が望ましいです。
ソフトウェアの深刻な不具合によってホームボタンが反応しない可能性がある場合は、iPhoneを初期化(工場出荷状態に戻す)すると直ることがあります。初期化前に必ずバックアップを取り、データが消えても問題ないようにしておきましょう。 初期化後も改善しないなら、物理的な故障が濃厚なので修理を検討してください。
すべての対処を試しても押せない症状が続く場合は、ハードウェア故障を疑わざるを得ません。早めに修理店やApple正規サービスプロバイダに連絡し、点検を受けるのが得策です。保証期間内なら無料または低価格で修理できる可能性もあるため、購入時の保証状況を確認してください。
修理を頼む際の選択肢としては、「各キャリア」「Apple直営店(正規サービス)」「iPhone修理専門店(非正規店)」の3つが挙げられます。費用や修理期間、保証面を比較し、自分の状況に合った方法を選びましょう。
docomo、au、SoftBankなどでiPhoneを購入している場合、キャリアの補償プランに入っていると修理費が安くなる可能性があります。全国的に店舗数が多いので持ち込みやすいですが、その場で修理するわけではなくメーカー送りになる場合が大半です。
Apple Storeや正規サービスプロバイダでは、純正部品による修理が行われ、公式保証が継続されます。AppleCare+に加入していれば費用を抑えられる利点も。ただしApple Storeの店舗数は限られ、事前予約が埋まっていることも多いです。
iPhone修理専門店(非正規店)は、即日修理や安価な部品交換に対応している場合が多いです。ホームボタンの修理も取り扱っている店が多く、急ぎの場合や費用を抑えたい人に重宝されます。
ただしApple公式の保証を受けられなくなるリスクや、部品品質にばらつきがある点には注意が必要です。店舗によっては保証期間を独自に設けていることもあるため、アフターサービス内容をよく確認してから依頼すると安心です。
iPhoneのホームボタンが押せなくなる原因としては、物理的な故障、ソフトウェアの不具合、設定や汚れによる誤作動などが考えられます。まずは手軽にできる対処として、ホームボタンや手指の汚れを拭き取る、iOSのアップデートや再起動を行う、Assistive Touchを使って代替操作を試すなどが挙げられます。
それでも改善しない場合は、ボタン内部や基板に物理的なダメージがあるかもしれません。各キャリアやApple直営店、非正規の修理専門店など複数の修理先があるので、費用や時間、保証の有無を踏まえて最適な方法を選ぶのが重要です。早めに対応すれば被害が拡大するのを防ぎ、重要なデータを失うリスクも抑えられます。
もしiPhoneのホームボタンが押せない・反応しない不具合でお困りの方は、本記事を参考に症状をチェックし、必要に応じて修理を検討してみてください。大切なiPhoneを長く使うためにも、適切なメンテナンスと早期の対策が大切です。
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